久しぶりの更新になりました。できるだけ週一回ほど活動報告のような形で更新したかったのですが、結果的に2,3週間ほど時間があいてしまいました。
今まで活動報告として週1くらいで更新していましたが、活動報告を書いていても所感の部分の方が書いていて楽しいし、自分の思考の結果のアウトプットにもなるのでコラムとして投稿していくことにしました。
相対取引と市場取引について
今回はこんなテーマでいきます。タイトル自体は難しそうですが、なんてことはないです。市場取引とは、字面通り市場で行われるよりオープンな取引で、相対取引(あいたいとりひき)とはいわゆる「コネ」とか「知り合いの紹介」とかのよりクローズドな関係での取引になります。
この言葉は、ちきりんさんのマーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法で語られていて、これにインスパイアされています。
このマーケット感覚を身につけようでは、就活市場を例にとってこの二つの取引の違いを示しています。以前は学校の先輩が就職しているからそのコネで企業に就職するような「相対取引」で多くの人たちが就職していましたが、インターネットの登場に伴いリクナビ、マイナビなど大手就職情報サイトが出現し「コネ」のない大企業にもリーチできるようになり、就職活動のほとんどが市場取引により行われるようになったとされています。
この就活市場の相対取引から市場取引への変化は、様々な分野で同様の現象がおきており、クラウドワークスは自分の得意分野を生かしたいフリーランスとアウトソーシングをしたい企業をマッチングさせ、メルカリは中古でも良いから特定の商品が欲しい人と使わなくなった商品を売りにだしたい人をマッチングさせ、従来であればオープンな場所で取引されることのなかった品物を市場で取引できるようにしました。
マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法には、インターネットであらゆるものが市場取引になった結果、「何が売れるのか」「何が価値あるものか」という見極める能力が大事ですよというようなことが書かれていますが、今回私はこの相対取引と市場取引という考え方が大変面白いなとおもいました。
市場取引と相対取引の違い
市場取引と相対取引の違いはそのオープン性だと考えています。市場では、誰もがそれぞれのモノの価格を一覧で確認できるので一物一価が原則ですが、相対取引では個人間での取引になるのでそうはなりません。
一物一価というのは、タクシーの初乗りの料金が東京駅で乗っても、渋谷駅でのっても変わらないというように、一つのモノに足して、一つの値段しかつかないということです。転職市場でも同年齢、同経験の人であれば市場での価値はだいたい一つにきまりますよね。
生まれてからずーっと日本にいるとこの一物一価は割と当たり前に感じますが、東南アジアなんかを旅行してみると意外に一つのモノに複数の値段がつくことが多くあります。
さきほどは都内でのタクシーの初乗り運賃を例にとりましたが、インドネシアなんかだと乗せてもらうタクシーの運転手によって値段が違うなんてことはしょっちゅうあります。お土産を買おうとして露天で買い物したりする時はモノに値札が付いてないので、値段を聞いて交渉をしてということも多いです。
このインドネシアでの運賃が運転手によって値段が違うというのは、取引の種別が市場取引ではなく、相対取引だからです。タクシーがメーターで管理されたり「このモノの値段がいくらの価値があるか」という情報が広く行きとどいているとだいたい価格は一つに収束していきますが、メーターのない運転手や、値札のついていないモノを売っている出店の定員にお金を払うときは、交渉する相手によって値段が違います。
このように相対取引と市場取引の値段の決まり方をみていくと、市場取引では市場の参加者が考える価格の平均が価格となり、相対取引では取引相手と自分の間での価格が取引の価格になります。つまり市場取引は多数の価格の平均値、相対取引では二者間で合意が取れる価格がそれぞれの取引での価格となります。
エンジニアへの需要増加でフリーランス市場が高度に市場化!?
こうやって思考を進めているとふとフリーランスの市場はどうなんだろう?と考え始めます。昨今フリーランスのエージェントサービスも多く出現して、エンジニアも供給不足などと言われて以前にもましてフリーランスとして働き始めることが楽になっているように思います。
フリーランスエージェントさん方は業界に根ざした広いネットワークを使って、案件を獲得したいエンジニアに案件を提供しますし、エンジニアの供給不足や働き方改革などの世間の煽りにのりエージェントは今後も増えていくでしょう。ただ、このままフリーランスとしての働き方が一般化してくると世の中にある案件とフリーランスとして働きたいエンジニアが市場に出揃ってきて、「これぐらいのスキルだったらいくら」という相場が固まってくるのではなんて考えています。
そうなるとフリーランスの案件紹介サービスもリクナビやマイナビのフリーランス版のような均一的な求人になり、フリーランスだけど常駐が必須のような正社員よりは契約の自由度はあるけど、フリーランスの中では不自由というような求人も増えてくるでしょう。
このような状況になると「自由な働き方をしたいからフリーランスになったけど、お客様先で働いているし、働く時間も9時-17時でなんか違う・・」という人がそれなりにでてきそうです。
フリーランス界隈では、エージェントを挟むとマージンが取られるからクライアントとの直接契約が良いという話がありますが、直接契約メリットはなにも金銭的なところだけではありません。直接契約だと働く場所や働く時間、週の稼働時間なども自由に決められます。(交渉次第では勤務時間を午後からとか常にリモートワークなどの条件も選択できるでしょう)
エージェント側だって、リモートワークの案件や週2,3日の案件をまとめて紹介することもできるのでは?という反論もありそうですが、エージェントも複数のクライアントやフリーランスを相手にしている以上、リソースの問題である程度パッケージのような形でクライアントと交渉するほかないのではないでしょうか?
このように、フリーランス市場もほとんどがオープンな形で労働力が取引されるようになるとやはりフリーランスが今後も自由に働いていくには相対取引を大事にしていかないといけないよね。という結論になります。
どのように相対取引の場を作り出すのか?
ここまで、フリーランスがより一般的になって市場でのオープンな取引が増えてくるとその分自由度が減るので、相対(あいたい)取引的なクライアントとの直接契約がより自由度の高い働き方ができるでは?ということを書いてきましたが
じゃあどうやって、相対取引の機会をつくるのか?
という話になりますよね。
これが面白いところでネットは市場での取引を進めましたが、同時に相対取引の場も同時に提供したのではなんて思っています。
TwitterやFacebook、ブログでは、今でも結構ゆるい形で人を募集をしていたり、ブログやTwitterでの発言・プロフィールをもとに仕事の依頼をしたり、SNS経由で転職したりなんていう形で興味のある個人や団体になんのつながりもなくてもコンタクトが取れるようになりました。
ここまで話をしてある程度わかるとは思うのですが、平たくいうとブログ書いたり、つぶやいたり、SNSで発信して仕事の依頼を受けよう。ということです。ほかにも、自分の興味ある情報を呟いている人がエンジニア不足で困っていたら、「仕事やりましょうか?」なんて声をかえてみるのもいいんではないでしょうか?
リアルも良いですが、個人としてはWeb上の方が多くの人にリーチできるのでそちらに力いれていきたいです。とはいえ、リアルはリアルでWebに流れない情報が落ちているので、自分のクライアントになりそうな人がいそうな場所にいくというのはぜんぜんありですね。
まとめ
ここまでのまとめです。
- エージェントはエージェントで均一的な案件が集まる。
- マッチングプラットフォーム以外で相対取引(あいたいとりひき)のクライアントに接触できる仕組みをつくる。
- 相対取引(あいたいとりひき)を狙うフィールドはWeb上が多くの人にリーチできるのでよさそうだけどリアルのつながりもぜんぜんあり
私がこうしてブログを書いているのもこれによるところが多いですね。ネットに投稿していくことが資産になるとおもっているので、偉そうに語りましたが自分の戒めにもまとめてみました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。